編集部的雑感

盲学校の文化祭ってどんなの? 予備知識のない視覚障害者が行ってみた

神戸市立盲学校・表玄関の文化祭立て看板

視覚障害者webメディアのミルクフ編集部です。

11月2日、秋まっさかり。芸術の秋、文化の秋です。
ということで、たまには文化に触れるべく神戸市立盲学校の文化祭に行ってまいりました。(一般公開されていますが、今回は取材も兼ねているため事前に学校側の許可をいただいております)

学生時代の記憶など、もうおぼろげになるほど遠い過去のこと。今どきの文化祭とは、そして盲学校の生徒さんというのは、どんなステージを観せてくれるのだろう。期待に胸を膨らませ、いざ体育館へ。

今年は創立80周年、テーマは「輝け! 私たちの心の星 ~80周年記念 文化祭~」です。記念式典では神戸在住のアーティスト・天宮遥さんによるピアノ演奏も披露され、生徒さん登場の前から会場は良い感じの雰囲気。続く校長先生による開会のお言葉も、なるほど、と膝を打ちたくなるお話でした。現役の学生だった頃、まじめに校長先生の話を聞いた記憶がなく、今になって遅すぎる反省をしていたところで、いよいよ開演です。
天宮遥さんのピアノ演奏

天宮遥さん 公式HP
歌、作曲、ピアノ演奏、ラジオパーソナリティ、サイレント映画の伴奏などなど、幅広くご活躍されています。

盲学校の文化祭は感動の連続だった

先に感想を言ってしまうと、盲学校の文化祭は感動します! しかも幅広い年代の生徒さんのステージが観られて超お得な気分になれます! なによりも一生懸命練習してきたのがよく伝わってくる内容でした。

お芝居あり、楽器の演奏あり、歌あり、パフォーマンスありの約2時間半、エンターテイメントと音楽で次から次へと楽しませてくれます。ひとつずつ演目の中身をご紹介したいところですが、ステージに集中しすぎたあまり、客観的な描写をする自信がありません。(何のための取材なのか…)
2019神戸市立盲学校文化祭ステージ風景

ただ強く感じたのは、視覚障害者について知識のない人にこそ直接会場で観て欲しい、ということ。筆者自身も視覚障害の当事者として、晴眼者に理解を広めるためにどうすればいいのか、と頭を悩ませることがあります。ですが、小難しい理屈をこねて説明するよりも、この日の生徒さんの姿を観てもらうことが、障害者理解には一番なのではないか、と思えました。

よく耳にする誤った思い込みに「視覚障害者イコールなにも見えない」「目が見えないイコールなにもできない」というのがあります。

もしそういう認識の人がいたら、ぜひ盲学校の文化祭に行ってみてください!と声を大にして言いたい。

西遊記の劇で元気に飛び跳ねる幼稚部・小学部のお子さんたち、心を揺さぶるような歌声と演奏を聞かせてくれた中学部・高等部・音楽部のみなさん、芝居を通して「ほかの人を羨ましいと思ったりあの人みたいになりたいなんて思う必要はないんだよ」と教えてくれた中学部の生徒さん、調和の取れた美しい動きとダイナミックなバチさばきが印象的だった和太鼓部のみなさん。

どのグループも視覚障害者に対する誤った認識を一掃するには十分すぎるほど、大きな可能性を感じさせてくれました。

そしてもっとも心に残ったのは5人の高校生が将来の夢を語る、24時間テレビ・愛は地球を救うのパロディ劇、80周年テレビ・夢は地球を救う。5人のうちのひとりに、鍼灸師を目指す女子生徒さんがいました。彼女が語った「私はいつも支えられてばかりなので支える人になりたい」という言葉。とても胸に刺さりました。でも既にこの文化祭こそが人を支える力になっていたと思います。たくさんの笑顔と感動と学びを与えてくれたステージにはそれだけの価値があったのではないでしょうか。

この日にむけて頑張ってこられた皆さんに幸多からんことを祈っています。

全国各地の盲学校が、すべて文化祭を開催し且つ一般にも公開している、というわけではないと思います。各学校の状況についてはご自身でお調べいただくようお願いします。

展示・模擬店、それから大人気のマッサージ

ステージを鑑賞したあとは、展示品見学や模擬店めぐり。
まずは幼小学部・中学部・高等部普通科の生徒さんが授業で作った作品を見学に。不器用な筆者にはなんでこんなに上手く作れるの?という疑問しかありません。

お次は販売コーナーです。
生徒さんが作業学習で作った小皿が所狭しと並んでいます。大勢のひとだかりの向こうから「ひとつとして同じものはないですよ!」という呼び込みの声。そう言われると思わず購入していまいます。営業がうまい!
(と言っても、とても良心的な値段ですごくちゃんとしたお皿なので買えてラッキーでした)

手作り小物販売の売り場では牛乳パックから作られたカレンダーを購入。制作者はここの卒業生で、現在は作業所で働いているという女性。実際に作った方と会話しながら買い物ができるのも文化祭のよいところですね。
2019神戸市立盲学校文化祭での購入品

いろいろ見て回ったあとは喫茶コーナーで休憩です。美味しいジュースとクッキーで英気を養い、いざマッサージへ!
無料で15分間のあんま、もしくはオイルマッサージが受けられるということで楽しみにしていました。が…、なんと展示品の見学や買い物に時間をかけ過ぎたせいで、既に予約が定員に達しており終了とのこと。残念…

マッサージに出遅れたのは自分のミスとして、それ以外は十分満足です。この日の主役だった生徒さんはもちろんのこと、職員ならびに保護者の方々、そして手伝いに来られていた六甲アイランド高校ボランティア部の生徒さんたち。関わった人全員で作り上げた80周年に相応しい文化祭でした。

最後に文化祭に花を添えるお洒落なアイテムをひとつご紹介。
80周年を記念してPTAの方々が中心となって3色のお揃いのTシャツを作られました。白色は生徒さん、水色は保護者の方、紺色は職員さんだそうで、デザインがかなりカッコいいんです。どうしても写真を撮りたかったので無理を言って後ろ姿をパシャリ。ご協力くださった女性の先生、ありがとうございました。
神戸市立盲学校80周年記念Tシャツ

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です