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はる♪の暮らし上達術:第22回 ボイスクッキングスケール、シンプルで使いやすく重宝します!

はる♪の暮らし上達術

新型コロナウイルスの影響で、 自炊をする機会が増えたというお話をよく耳にするようになりました。私たち視覚障害者も皆それぞれ工夫しながら調理をしています。視覚障害者が調理をする際に不便を感じるのはどのような事でしょうか?

筆者は、調味料や粉類を測る作業が1番苦手ですね。見えにくいからという理由もありますが、ただ単に面倒なだけかもしれません(笑)しかし、ほんの少しの計量ミスで仕上がりに影響してしまう事もあります。

そこで今回は、日々の調理に役立つアイテム「ボイスクッキングスケール」についてご紹介いたします。

ボイスクッキングスケールとは?

GRUS(グルス) ボイスクッキングスケールの全体画像

GRUS(グルス) ボイスクッキングスケールは、その名の通り音声で重さを知らせてくれるクッキングスケール(秤)です。音声で重さを確認できるため、視覚障害者や高齢者でも簡単に使用する事ができます。

一般的なキッチンスケールは、多機能で便利な製品もありますが、視覚障害者や高齢者にとってはディスプレイの文字が見えにくかったり、使い方が分かりにくいなど不便な点もあります。ボイスクッキングスケールは、音声で重さを知らせてくれますし、最小限の機能で、ボタンの数が少ないのでとても使いやすい製品だと思います。

本体のカラーは黒、上皿(計量する物を乗せる部分)が白で、上皿の中央には黒いセンターマークが付いています。また、左右のボタンの違いが分かりやすいように色で区別されています。このようにコントラストがはっきりしているとロービジョンの方も見やすいですよね。

各ボタンの説明

本体の表面にはボタンが2つあります。

GRUS(グルス) ボイスクッキングスケールの操作部分を拡大した画像

本体の手前側中央にディスプレイがあり、ディスプレイの右側のボタンは、電源のON/OFFと0リセット(風袋引き)するボタンです。長押しで電源のON/OFFができます。お皿やボウルの容器を乗せてからボタンを押すと、容器の重さを差し引いて計量する事ができます。

左側のボタンは、音声ボタンです。音声を聞き直す時に押します。

側面には補助機能ボタンが3つあります。音声アナウンスのON/OFF切替・使用方法・問い合わせ先を音声でアナウンスしてくれるボタンです。

使用方法

①右側のボタンを3秒以上長押しで、電源ON。
②上皿に計量する物を乗せると重さをアナウンスします。
もう一度音声を聞く場合は左側のボタンを押します。

最大3kg(3000g)まで対応しており、1g単位で表示します。

電源の自動OFF機能が搭載されているので、もし電源を切り忘れても5分後に「電源OFF」とアナウンスして自動的に電源が切れます。

どこで購入できるの?

2019年にクラウドファンディングサイト「マクアケ」にて、ボイスクッキングスケールのプロジェクトが実施されており、目標金額の200%以上を達成したそうです。

現在では、日本点字図書館やAmazon、楽天などでも購入できるようになっています。

おわりに

以前から視覚障害者用音声スケールは販売されていましたが、価格が高くてなかなか手が出ませんでした。また、自治体によって日常生活用具給付の対象にならないといった問題もありました。

それに比べて、ボイスクッキングスケールは価格も安く、Amazonや楽天などのショッピングサイトでも販売されているので、誰でも気軽に購入できます。このような製品がもっと普及してくれたら、私たち視覚障害者の暮らしもより快適になりますよね。そのためには、当事者が積極的に「こんな物あったらいいな」という声を上げていく事も大切だと思います。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。

GRUSボイスクッキングスケールの詳細につきましては下記URLよりご確認ください。

https://grus.tokyo/product/detail.php?pid=9

ライター:はる♪