連載

なみの全盲ありのままライフ:食べまくり修学旅行

皆さんは、修学旅行といえば何を思い浮かべますか?やっぱり定番は、枕投げとか恋バナとかでしょうか。私の場合は…
そんなものはありませんでした。できないんですよね。クラスメートが男の子ばっかりで、私は先生と二人部屋だったから。残念だったなあ。

それでも、修学旅行には楽しい思い出がたくさんあります。ということで今回は、私が盲学校で経験した修学旅行のお話です。

初めての北海道!

一番印象に残っているのは、高校時代の修学旅行。3泊4日で北海道に行きました。あれはもう、異常に楽しい旅でしたよ。

そのときのメンバーは、生徒3人、先生3人(一人に一人担任の先生がついているんですね)。私にとって初めての北海道、初めての飛行機。ワクワクドキドキのオンパレードでした。

飛行機に乗ると、まず点字の「安全のしおり」があることに感激。そして離陸のときの何とも言えない感覚、機内で飲んだカボスのジュース、トイレ。何もかもが新鮮でした。あこがれだった北海道に到着した頃にはもう、完全にテンションマックスです。

さて、北海道で4日間、私たちが何をして過ごしたのか。思い返してみると、とにかくひたすら食べていた、ような気がします。食べて食べて食べまくりました。

1日目だけでも、お寿司にアイス、ケーキにラーメンとかなり満喫してます。ポテトチップチョコも食べてます。ポテトチップチョコ、ご存じですか?おいしいんですよねー。あれを食べて初めて、甘いものとしょっぱいものって合うんだなあと知ったんだっけ。

お寿司にも感動しました。個室で、板前さんが目の前で握ってくれて。ちょっと緊張しながら味わった高級感あふれるお寿司。最高でした。

ラーメン屋さんを探した日

2日目にはジンギスカンを堪能。それからまたラーメンも食べることに。

実はこの日、ラーメンをとても楽しみにしていたんですよね。大人気だというラーメン屋さんに行く予定だったから。みんな張り切ってお店に向かいました。

ところが。そのお店がなかなか見つからないんです。人込みの中、歩き続けました。いろんな人に聞きながら。それでも見つかりません。

そしてもう探し疲れたなというとき、たどり着いたんです。衝撃の事実に。
なんと…
そのお店、その日はお休み!

仕方がないのでほかのお店でラーメンを食べることにしました。もちろんそのラーメンもおいしかったけど、やっぱり残念な出来事だったなあ。

まだまだ食べる

二日間食欲全開でもりもり食べて、3日目を迎えると、さすがの私もちょっと苦しくなってきました。もう限界、という感じ。それでもまだまだ終わりません。大事なイベントはこれからです。

この日は、自由行動の時間がありました。男性陣が札幌ドームに野球を見に行っている頃、私は先生と2人ですばらしい計画を実行したんですね。それは、「スイーツ巡り」。
はい、また「食べる」計画です。

竹馬やブランコに乗って遊んで、ちょっとお腹をすかせてから、スイーツをどっさり買い込みました。チーズケーキにゼリー、シュークリームにチーズたると。それを目の前に並べて、スイーツ巡り開始です。

どれもおいしそう!どれから食べようかな!幸せ!!
…と気持ちはハッピーなんだけど、体がついていきません。どれも絶品。でももう食べられない…。最終的には「必死で片づける」という状態に。せっかくのスイーツ巡りなのに。何かスイーツにも失礼なことをしてしまったな、と反省する私なのでした。

そんな私も、最終日にはまた食欲復活。朝市で海鮮丼を堪能しました。めでたしめでたし!
さすが北海道。おいしいものがいっぱいでした。

本当に楽しかった

高校時代の日記の中で、私はこの修学旅行を「一人一人との距離がすごく近かった」と振り返っていました。担任の先生方が、先生というより生徒に近い感覚で接してくれていて、リラックスできる雰囲気があったからかな。盲学校ならでは、という感じの修学旅行だったと思います。

この日記を書くとき、「この楽しさをどんな言葉で表現しよう」と頭をひねったことをよく覚えています。忘れたくない。ちゃんと残しておきたい。そう思ったんです。
それくらいすてきな思い出。

また北海道に行く機会があれば、スイーツ巡りリベンジしたいなあ。

ライター:なみ