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はる♪の暮らし上達術:第3回 視覚障害者だって気軽に外食を楽しもう!

はる♪の暮らし上達術

皆さんは休日にどんな事をして過ごしていますか?
筆者は、美味しい物を食べる事が好きなので、自宅で料理をして家族と食べたり、ネットやテレビなどで紹介されている美味しい物を求めて食べ歩きを楽しんでいます。しかし、私たち視覚障害者にとって外食には様々な不安があるのです。筆者は視野が狭く、暗い場所で特に見えにくさを感じます。

  • お店に辿り着く事ができるか?
  • お店の中は暗くないか?
  • 席に辿り着けるか?
  • メニュー表は見えるか?
  • トイレの場所を見つけられるか?

etc

このように挙げたらキリがありません。
筆者のように多少視力が残っているロービジョンでも「外食は好きだけど、1人で行くのは不安かも・・・」という方も多いのではないでしょうか?今回は、そんな不安を解消してくれるアプリをご紹介いたします。

Googleマップ2019年10月リリースの新しい音声案内機能

Googleマップ・アプリ皆さんお馴染みのGoogle マップですが、10月より新しい音声案内機能が追加されたのをご存知でしょうか?

視覚障害者向けに開発された機能で、徒歩で移動する際により詳細な音声ガイダンスを聞く事ができます。この機能を使用すると、現在地の道路の名称や曲がり角までの距離、正しいルートを進んでいるかなどの詳細情報を音声で案内してくれます。いちいち画面を見てルートを確認する必要がないため、視覚障害者以外の方にとっても便利な機能だと思います。
この機能を有効にするには、メニュー画面から設定→ナビ→詳しい音声案内をONにします。

Googleマップのメニュー一覧から設定Googleマップの設定からナビGoogleマップのナビ画面で詳しい音声案内をON視覚障害者向けのナビアプリは他にもありますが、筆者はやはり使い慣れているGoogle マップに頼っています。今までより詳細にガイダンスしてくれるようになったおかげで、立ち止まって画面を確認する手間も省けて歩行に集中できるようになったので初めての場所に出向く際も安心して移動できるようになったと思います。

ちなみに、iOSでもAndroidでも使用可能で、現在は日本語と英語に対応しているようです。

きけるおしながきユーメニュー(有限会社 時代工房)

きけるおしながきユーメニューアプリこのアプリはファストフードやカフェ、居酒屋など、様々なお店のメニューを見る事ができます。

「きけるおしながき」という名の通り、Voice Overなどの音声読み上げ機能でも操作しやすいようにシンプルな表示になっており、スムーズにメニューを確認できます。

きけるおしながきユーメニューのTOP画面きけるおしながきユーメニューの大戸屋メニュー画面期間限定や日替わりメニューなどは記載されていませんが、様々なお店のメニューを手軽に見る事ができ、外食に出かけた際に店員さんや同席した方にメニューを読み上げてもらう必要もありません。

店員さんに視覚障害があるという説明をすると、まれに点字のメニューを持ってきてくださる場合もあるのですが、筆者は点字が読めません。お気持ちはとても嬉しいのですが、全ての視覚障害者が点字を読めるというわけではないのです。筆者はiPhoneの拡大鏡を使用してメニューを見る事もありますが、Umenuの方が断然見やすくて便利だと思います。

スマートフォンやタブレットなどの機器の発達により、私たち視覚障害者の生活も一段と快適になってきましたが、それでもなお周囲の方々の声掛けや手助けが何よりもありがたいと感じます。

街中でキョロキョロと周囲を見渡したり不安そうにしている視覚障害者を見かけた際には、ぜひお声かけをよろしくお願いいたします。

ライター:はる♪