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なみの全盲ありのままライフ:スマホゲームが気になる

皆さん、スマホゲームって好きですか?私、そのあたりに関しては全然わからないんですよねー。何かこのところスマホゲーム関連の話題をよく耳にするのですが、全くついていけてません。みんながあまりに楽しそうに話すものだから、どんなものかなあと気にならないこともないのだけれど…。

そういえば私も、子どもの頃はゲームと名の付くものには興味津々でした。特にポケットゲーム機。あれは私の心をつかんで離さず、ずいぶんはまったものです。今思えば楽しみ方がちょっと変わってましたが。

ということで今回は、「ゲーム」のお話です。

画面見えないのにポケットゲーム機フリーク

小学生のとき。私の中で到来したんですよね。ポケットゲーム機ブームが。姉が楽しそうに遊んでいるのを見てほしくなり、自分も買ってもらったのがきっかけでした。

そのゲームとはいったい何だったのかと言うと、テトリスです。画面を見ないと何がどうなっているのかまるでわかりません。完全に私にはできないやつ。それでもそのゲームが大好きで、夢中になって遊んでいました。今の私からするとどこがそんなに楽しかったのか謎ですが、当時は適当にピコピコやっているだけで満足だったんです。

当然すぐにゲームオーバーになるわけですが、そんなのお構いなし。だけど不思議なもので、適当にピコピコやってるだけなのに時々レベルアップすることもあるんですよね。それがたまらなくうれしかった。「私ってすごくない?」と誇らしい気分。そしてどんどんはまっていったのでした。

そのうちそのゲーム機だけでは満足できなくなり、ポケットゲーム機コレクションを始めました。インベーダーとかピンボールとか、これまた私にはできないものばかりでしたが、大喜びで遊んだものです。

ペットを育てるようなゲームも大好きでした。これも画面を見なければ何が何だかわかりませんが、アヒルや恐竜など育てて遊んでたんです。育っている様子も、そのペットたちが何を求めているのかも確認できないというのに、「そろそろご飯の時間かな」「そろそろトイレ流しておくか」と適当にお世話をしてました。うん○まみれになってるのにご飯をあげる、みたいなことを平気でやっていたわけです。アヒルさんや恐竜さんからしたらいい迷惑ですよね。超ダメ飼い主。

それでも私としては、結構かわいがってるつもりだったんですよ。育っているアヒルさんや恐竜さんを想像しながら。ペットたちはそんなひどい飼い主のもとで問題なく育っていたようだし。で、こういうゲーム機もいっぱい集めました。

ちなみに、こんなふうに遊んでいたのは私だけではありません。友達(全盲)もポケットゲーム機を数台持っていたんですよね。それらを並べて二人でゲーム祭りを開催したりしてました。懐かしい。私たち、ゲームの中身というよりゲーム機そのものが好きだったのでしょうね。

やっぱりゲームの中身を楽しみたい

考えてみれば、子どもの頃の私は、とにかくみんなと同じことがしたいと思っていたんですよね。特に姉がしていることは、できる限り真似しようとしていました。もちろん見えていないから同じようにはできないことも少なくなかったのですが、形だけでも真似できればそれでよかった。「やってるつもり」でよかったんです。ゲーム機の画面が見えなくて寂しくなかったわけではないけれど、想像力だけでその世界に入り込めたんですね。

でもだんだんと、みんなと同じことができればそれでいいとは思わなくなってきて。それどころか、どうしてみんなと同じようにしなければいけないのかと反発心すら覚えるようになって。ゲームと名の付くものからは離れていきました。音だけで遊べるゲームも少しはありましたが、「基本的にゲームは見て楽しむもの」という印象が強くなり、「なんかよくわからないし、もういいかな」という感じで。

でも最近、みんなが楽しそうにやってるスマホゲーム、どんなものか試してみたい気持ちもありまして。聞くところによると、全盲でも楽しめるものって結構あるらしいじゃないですか。やってるつもりとかではなく、ゲームをゲームとして楽しめるわけですよね。そういうことなら、スマホゲームの世界にちょっと足を踏み入れてみようかなあ。

ライター:なみ

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