連載

なみの全盲ありのままライフ:私できる人!

生まれたときから全盲やっていて、日々感じることがあるんです。それは、「私、本当はできる人なんだけどなあ」ということ!もっともっとそのことをみんなに知ってもらいたいんですよねー。

「何だこの人、痛いな」と思ったそこのあなた!
大丈夫です。私もそう思いました。

でも本当に、私は多くの人が思うよりもできる人なんです、きっと!
今回はそんなお話をしてみますよ。

階段でびっくりぽん

一人で道を歩いていたら、親切な方が声をかけてくれたんです。その方に目的地まで案内していただくことになり、「階段とエレベーターがあるけど、どっち使う?」と聞かれたので、私は階段と答えました。するとその方、「え、大丈夫?降りられる?」とかなり心配な様子。

私が階段を降り始めると、その方は戸惑いと感激たっぷりといった雰囲気で見守ってくれました。「わあ!びっくりぽんやなあ!」って。

私ね、階段降りるの全然平気なんです。というか大好きなんです。「階段降りてるときは宝塚みたいに姿勢がいいね」ってほめられるんですよ(どうでもいい話ですが…)。だけどやっぱり、見えないのに階段を降りるというのは危険なことだと思われちゃうんですねー。

かわいそうに!

またあるときはこんなこともありました。同じように一人で道を歩いていたら、「目見えへんの?かわいそうに!」と声をかけられたんです。

何度も「かわいそうに!」をくり返され、「大変やなあ!家帰ったらお母さんおるんやろ?ご飯作ってくれるんやろ?」とすごい勢いで畳み掛けられました。完全に圧倒されてうまく返せなかったのが悔やまれます。

その方も親切な方で、いろいろとサポートしてくれました。でも「かわいそう」って…。何か切ない。

私ね、母とは離れて暮らしているし、ご飯は一応自分で作っているんですけど…(まあ手抜き簡単料理ばっかりですけどね)。

でもその方からすると、「見えないとできないことがたくさんあってかわいそう!」という印象が強かったのでしょうね。私の中でこの方は、「道で声をかけてくれた衝撃的な人ランキング」の上位に入っています。

どうしてできないと思われるの?

こんなふうに、「できない」感じに見られることはたくさんあります。「大丈夫だから!そんなに気を使わないで、居心地悪いから!」と何度思ったかわかりません。

どうしてそういった誤解が生まれてしまうのでしょうか。その原因はいろいろあると思います。中でも私が特に大きいのではないかと考えているのは、全盲体験。アイマスクを着けて歩いてみるというあれです。

体験された方の感想として多いのは、「怖い!」なんですよね。「見えないって大変ですね。いつもあんな感じで生活されてるなんてすごいなあ!」って言われます。でも私は、恐怖感に包まれて生活しているわけではありません。

アイマスクしたとき怖いのは当然ですよね。「こんなんじゃ何もできない」という気持ちになるのも当然です。急に見えない状態になるんだから。でも私はずっと見えない状態で生きていて、もう慣れっこです。そういう怖さはありません。

見えないという感覚について理解を深めていただけるのはうれしいことですが、逆効果になるのでは意味がないですよね。本当の私たちを伝える工夫が必要かなと思います。

私はできる!

正直、私は全く自分に自信がありません。私なんて何の役にも立たない。そんな無力感の塊が心のどこかに住み着いていて、ふとしたときに発作的に襲ってきて大変なことになります。だけど、もっと「できる人アピール」をしていきたいんです。私にはできることがたくさんあるから。

好きな勉強ができる。好きな仕事を(ある程度は)選択できる。好きな生き方を楽しむことができる。

無理かもしれないことでも、思い切ってやってみれば案外なんとかなるもの。できることはどんどん増えていくんですよね。車の運転など今の時点ではどうしてもできないことというのもあるけれど、可能性は無限大です。

そう、私できる人!!
めっちゃできる人!!
バリバリやれる人なんですよ!!

自信を持ってそう言いたい。そういうナルシストに、私はなりたい!

ライター:なみ